スライドが一つの油圧プレス
単動油圧プレス
単動油圧プレスとは、ひとつのスライドをもっている油圧プレスです。 スライドがひとつしかないからと侮るのは危険で、たったひとつでもかなりのパワーを発揮するのが油圧の力です。 だいたい単純な加工なら複動式である必要もなく、また単動だから出力も小さいとはなりませんので、単動油圧プレスの活躍の場は大きな工場にも小規模な工場にも用意されています。 スライドがひとつなので力を加える方向は限られており、作業内容や操作方法がわかりやすいのが利点になりそうです。 ですが単純な機械だと油断してはいけません。 油圧の力を使わなければ加工し辛い製品を製造するのに用いられる工業用機械ですので、動作は単純でも恐るべき怪力の持ち主であることは間違いありません。 使い方を誤ると人身事故を起こしたりと、わりと惨事にもなるので充分に熟練した職人さんでも慎重に操作することが求められます。 コラム形油圧プレスもこれに含まれます。
C型油圧プレス
C形油圧プレスはフレーム形状がアルファベットのCの形をしている、英語を勉強している人から見たらとってもわかりやすいネーミングの単動油圧プレスです。 アルファベットの知識を持ってない人だと、「なんかの頭文字を取ったCなのかな、CARとかCARATとか」とトンチキな感想を述べそうですが、 アメリカ人など英語圏の方ならこの油圧プレスを一目見ればC形をしていることを瞬時に見破り、シックスセンスで名称を言い当てることもできそうです。 どうしてこの形になったか、それは使いやすいからでしょう。 カーブで例えられるSや開脚のポーズで有名なMとかではちょっと扱いづらそうですし、もっと単純で操作しやすい形状を追求した結果C形が主流になったと思われます。 ランクだとCはあまりよくない評価をされて3流の代名詞になりますが、形状ならなかなか優秀で使い勝手も良く応用力もあります。 なのでランクCの油圧ポンプではないことをここに明記しておきましょう。
卓上型油圧プレス
これは名称からも分かるとおり机の上で操作するタイプの油圧ポンプです。 テーブルの上に設置できるのでサイズは小さくなっており、その分出力もやや控えめな設計になっています。 日曜大工を平日の夜でもたまにやるような男性だと個人で所有しているかもしれない、それくらい小型なので工場で使うには迫力が足りないと思うかもしれませんが、 人力よりははるかに強力なので結構使われています。 工場で加工される製品は大きな物ばかりではなく、両手で包める程度のサイズの製品もあるからそれも当たり前の話です。 自動車のボンネットやドアほどスケールのあるパーツを加工するなら卓上形では不可能に近いですが、工場では飲料水の入る缶や電化製品の小さな金属部分も製造していますし、 それほど大量生産しないパーツも扱われています。 なので世の中の全ての油圧プレスが大型ではないのです。