スライドが二つ!複動油圧プレス
横型複動油圧プレス
横形複動油圧プレスとはふたつのスライドが標準装備の油圧プレスの中でも、横型タイプという特徴を持つ有能なマシーンです。
これが新潟県で稼動していたら「にいがたのよこがた複動油圧プレス」になって少し面白いですが、山形県でもクスッと笑ってしまいそうです。
トヨタ自動車の本社がある愛知県豊田市とその近辺が一番このタイプのプレスが多いかもしれませんが、愛知県ではあまり面白味がありません。
どうせなら山形県や新潟県で稼動してもらいたいマシーンですね。
横型であること以外は特に変哲のないありふれた性能のプレスですが、複数のスライドがあるので能力は他のタイプに比べても劣ることはありません。
むしろ勝るくらいで、オーダーメイドでなくても、新品ではなく中古品でも高性能であることは製造メーカーも保証しています。
中古品は二の足を踏む工場もありますが、コストパフォーマンスを考えると決して損な買い物ではありません。
サスペンション型複動油圧プレス
ちょっと長い名前のサスペンション形複動油圧プレスは、複動油圧プレスでありながら他の特徴も持っている素敵なマシーンです。 どんな特徴かというと、主スライドからスライドを吊り下げたような仕組みになっており単純な構造ではないことがマニアの心をくすぐります。 シンプルイズベストという諺がありますが、これは全ての事柄に当てはまるとは言えなくて、場合によっては難解なほうが喜ばれるのです。 明快なシステムよりも複雑で素人には理解不能なほうが高貴だと信じる層も少なくはなく、これは豊かな時代が産み出した思想でもありそうです。 サスペンションと聞くと自動車のパーツを思い浮かべますがそれとは意味が全く違い、サスペンション製造用のマシーンでもありません。 この場合のサスペンションは「吊るす」ことを表現しています。 マシーンの振動を緩衝させるためにサスペンションを使っているわけでもありません。
インナアウタ型複動油圧プレス
またまた長い名前のインナアウタ形複動油圧プレスですが、これは内スライドが外スライドによってナビゲートされるタイプのプレスで、当然複数のスライドが本体に装着されています。 インナアウタの部分が内側、外側を意味しているので一度覚えてしまえばどんな形状をしているのか名前をみただけでイメージ出来てしまうはずです。 内と外がセットになっているので仲が良さそうなカップルがいるマシーン、と理解しておけば7割位は正解になりそうです。 他にも長い名称の複動タイプには、インデペンデント形複動油圧プレスというのもあるのでついでに解説しておきましょう。 これは複数のスライドがあるけどそれぞれが独立しており、インナアウタ形のように動作がシンクロすることはなくそれぞれが自分のやりたいように業務を遂行すべくせっせと働きます。